留萌市内の民間賃貸住宅、 アパート等 の家賃相場は、「旭川市の中心部は別として、旭川と比較すると平均的に家賃が高い」と言うお話をよく聞きます。人口の少ない留萌ですから、旭川と比較すると民間賃貸住宅の家賃が安いと思っている方が圧倒的に多いと思います。家賃相場を比較してみると旭川の場合は、地域、築年数別に家賃が変動しているのに対して、留萌は家賃の変動率が低く、特に築年数に関係なく1LDK、2LDKクラスの賃貸住宅の家賃が、旭川より若干平均して高いのが、留萌市内の民間賃貸住宅の家賃相場の特徴です。そこで、「なぜ、留萌市内の民間賃貸住宅の家賃が、旭川と比較するとわりと高いのか」。検証してみたいと思います。旭川の賃貸住宅のオーナー ( 大家 ) の場合、留萌のオーナー と異なる点がいくつかあります。旭川の民間賃貸住宅のオーナーの中には、旭川市以外や道外に住んでいるお金にゆとりのある投資家の存在があります。当時、自分たちの住んでいる地域と比較すると、北海道の都市である旭川の土地の安さに着目し、賃貸住宅の経営に参入した人が多いと言うお話を旭川市の不動産業者から聞きました。また、旭川の賃貸住宅のオーナーの場合、賃貸住宅の管理から入居まで不動産業者に委託しているケースが多く、よって不動産業者の賃貸住宅の媒介( 仲介 )業務や管理業務には長い歴史があります。賃貸住宅のオーナーと不動産業者との連携により景気に流されることなく市場をとらえ、しっかりとした根拠のある家賃相場や賃貸住宅の管理がされている賃貸物件が多く、安心して入居できることから賃貸住宅の入居率アップにも繋がり、旭川の賃貸住宅のオーナーは、健全な賃貸住宅の経営を行なうことができます。留萌の場合、昔からたくさんの不動産業者がありましたが、賃貸住宅の媒介
( 仲介 ) 業務を専門に取扱う業者が少なく、賃貸住宅を借りようとするユーザーにとっては、賃貸情報をいち早く知ることが出来ず大変不便な地域でした。平成10年頃から徐々に賃貸物件を取扱う不動産業者が増えてきましたが、旭川と比較するとまだまだ不動産業者の賃貸住宅の媒介
( 仲介 ) 業務の歴史は浅く、賃貸住宅のオーナーもやっと不動産業者に媒介 ( 仲介 ) を依頼をするケースが、徐々に増えてきたのではないでしょうか。民間の賃貸住宅のオーナの中には、以前から広い土地を所有し、土地を有効活用するために賃貸住宅の経営を始めた方と土地を購入して賃貸住宅の経営を始めた方に分かれます。土地の購入費や賃貸住宅の建築費など金融機関から融資を受けることを考えると、後者の負担の大きさが伺えると思います。この点については、他の市町村の民間賃貸住宅のオーナーと変わりはないと思いますが、留萌の賃貸住宅のオーナーの場合、以前から土地を所有しているオーナーが割と少なく、特に平成初期頃から建てられた賃貸住宅などは、土地を購入して賃貸住宅の経営に参入したオーナーが多いと想われます。また、この頃の留萌の土地相場は、他の市町村と比べると留萌の規模から見ても、高値の土地相場であったことと、土地の面積に関係なく一戸建住宅用地並みの坪単価で広い土地を購入していたことが挙げられます。要するに高い坪単価で広い土地を購入しているため、土地の購入費と賃貸住宅の建築費の負担が大きいことにより、家賃の設定や相場が決められていたのではないでしょうか。昭和の時代に家賃が高いと思われた2LDK以上で家賃6万円以上の物件が、平成になってから数多く出現しており、公務員の人口比率が高い留萌の特徴なのか、意外とこの頃の賃貸住宅と家賃設定がユーザーに受け入れられていたことから、この家賃相場が、景気低迷や賃貸住宅の需要の低下が見られる今日であっても、根強く1LDK〜2LDKクラスの家賃に反映されています。賃貸住宅のオーナーにとって、金融機関から受けた融資の返済や賃貸住宅の維持管理 ( 修繕 ) などを考えると負担が大きく、旭川の賃貸住宅のように地域、築年数別に家賃設定をすることが、やや難しくなっており、特に築10年以上から築20年位の築年数の経っている賃貸住宅が、留萌全体の家賃相場を押し上げていることで、旭川の賃貸住宅と比較すると家賃相場が若干平均して高い傾向にあります。一概に賃貸住宅のオーナーの負担ばかりが、家賃相場が高い要因とは言えませんが、留萌の2万5千に満たない人口の中での賃貸住宅の経営や賃貸住宅のオーナーと不動産業者との連携なども家賃相場に影響があるのかもしれません。
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